内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上の就業者数は年々上昇しており、21年連続で前年を上回ったそうです。そのようななか、65歳の林山翔平さんは「十数万円の年金だけでは生活に余裕がない」と危機を感じ、雇用延長の途中から「定年バイト」の就活を開始しました。そこで今回は、林山さんの著書『年金だけじゃ生活できない!「定年バイト」奮戦記』より一部を抜粋し、定年バイトの実態をお届けします。
道路工事や建設現場の警備の醍醐味は「早上がり」 10分で終わっても日当がもらえる
「林山君、警備員のバイト始めたんだって?」
知人の内藤さん(仮名)から電話がかかってきた。内藤さんは70代で、5年前から警備員をしている。
勤務時間は午前8時から午後5時。仕事の多くは屋外の路上。つまり交通誘導員だ。私は店舗警備が専門なので、屋外の仕事を知らない。内藤さんに話を聞くと悲喜こもごもという印象だ。
道路工事や建設現場の警備の面白さは「早上がり」にある。店舗警備では閉店まできっちり立哨するが、屋外の場合は工事や資材の搬入が数時間で完了したりする。あとはやることがない。そのため工事の現場監督が「もう帰っていいよ」と解放してくれることがある。ときには半日で終了。それでも1万円の日当をもらえる。
内藤さんはこの5年間の出勤日のうち半分は早上がりだった。早上がりの日は平均で午後2時ごろに仕事が終わったという。