現在放送中のNHK連続テレビ小説『風、薫る』(総合/毎週月曜~金曜、午前8時~ほか)は、一ノ瀬りんと大家直美の二人の主人公が、明治時代にトレインド・ナース(看護師)となって自立し、おおぜいの人々の命を救うバディドラマです。
2人が入所した看護婦養成所のモチーフとなった「桜井女学校(現在の女子学院)附属看護婦養成所」には、ドラマの看護学生たちに勝るとも劣らない個性的なメンバーが集まっていました。
そのうちの一人、「広瀬梅」の波乱に満ちた人生をドラマの原案『明治のナイチンゲール 大関和物語』の著者、田中ひかるさん が紹介します。ドラマでは、青森出身の看護婦見習い・トメに、梅の面影を感じたという田中さん。看護に生涯を捧げた梅はどんな人物だったのでしょうか。
なお、『風、薫る』は原案を大幅にアレンジしたオリジナル作品であるため、本記事や原案本をお読みいただいてもネタバレにはなりませんので、ご安心ください。
2人が入所した看護婦養成所のモチーフとなった「桜井女学校(現在の女子学院)附属看護婦養成所」には、ドラマの看護学生たちに勝るとも劣らない個性的なメンバーが集まっていました。
そのうちの一人、「広瀬梅」の波乱に満ちた人生をドラマの原案『明治のナイチンゲール 大関和物語』の著者、田中ひかるさん が紹介します。ドラマでは、青森出身の看護婦見習い・トメに、梅の面影を感じたという田中さん。看護に生涯を捧げた梅はどんな人物だったのでしょうか。
なお、『風、薫る』は原案を大幅にアレンジしたオリジナル作品であるため、本記事や原案本をお読みいただいてもネタバレにはなりませんので、ご安心ください。
少数精鋭だった養成所の一期生
『風、薫る』でりんと直美が学んでいる「梅岡女学校附属看護婦養成所」の一期生は、2人をふくめてたったの6人です。実はモチーフとなっている「桜井女学校附属看護婦養成所」の一期生も6人でした。
当初私は、従来の「看病婦」に対する「いやしい職業」という偏見が強すぎて、学生が集まらなかったのかと思いましたが、違いました。英語での授業や、高度な看護の勉強に耐えうる学生を集めた結果、「少数精鋭」となったのです。
学生たちの年齢や出身地などは、史実とドラマで異なるのですが、それでも私は、原嶋凛さんが演じる「工藤トメ」の初登場シーンを見たとき、「梅さん!」と思わずにはいられませんでした。
トメは青森出身、梅は岡山出身という違いはありますが、大きな荷物を背負い(あとでわかるのですが、りんご箱でした)、初対面の相手にも臆することなく声をかけ、お国言葉で快活に話す工藤トメの姿は、「広瀬梅」のイメージにぴったりだったのです。
私が梅のことを知ったのは、『明治のナイチンゲール 大関和物語』を書くための史料を集めていたときです。その人生があまりにも波乱万丈で、梅を主人公に本が1冊書けると思いました。実際、梅を主人公としたミュージカル『拝啓 ナイチンゲール様』の制作が始まっており、今年12月には岡山、東京、水戸で上演されます。ここにきて急速に注目されるようになった梅のことを、私は「令和によみがえった岡山の偉人」と呼んでいます。