40代でお笑い芸人を志し大ブレイク。その後、50代で慶應義塾大学大学院に入学、現在は筑波大学大学院博士課程で博士号取得を目指し、研究を続けているというエド・はるみさん。困難や不安に直面するたびに自らを奮い立たせてきた、心の支えとなる言葉や考え方を綴った著書『今日がいちばん若いから 年齢を吹き飛ばす生き方』より一部を抜粋して紹介します。
相手の存在のおかげで自分という人間が分かる
私が40歳で吉本興業の養成所の東京校に入学した時、周りはすべて10代、20代の若者たちでした。そんな中に1人だけ、彼らのお母さんほどの年齢である40代がいるなんて、私自身、きっと嫌な思いをするだろうと覚悟していました。
しかし実際には99パーセントがみな素晴らしい若者たちでした。けれど残念ながら2、3人だけ、悲しい絡み方をして来る若者もいました。
「おいババア! お前、女、終わってんだろう!?」――。
驚きました。凄い言葉ですね。決して気持ちのいいセリフではありません。そしてその絡みは、何度も続きました。かと言って、こちらが本気で怒るのも違う。どうしたものかと思いました。
そしてあるとき私はフと、そのお互いの立ち位置の構図について考えてみたのです。私たちの年齢差はその若者たちの親子ほどある。
しかし彼らからするとどんなに私が年上であっても、この養成所では同期として捉えている。ならば、さらにその上から行って、子供扱いしてあげればいいのだと。
そこで生まれた対応が……
「ババア? あらーそんなこと言ってお子ちゃまねー。おっぱい飲みたいの〜?」
それ以来、彼らはすごすごと恥ずかしそうにして、そんな絡み方はしなくなりました。それどころか、この対応がネタそのものになり、それを先輩の方々が面白がってくださって、振ってさえもらえるようになりました。それはまさに怪我の功名でした。