(撮影:宮崎貢司)
22歳で歌手デビューを果たしてから、持ち味の中低音を活かした楽曲で親しまれている山川豊さんは、2023年に肺がんを公表。現在も活動を続けられるのは、実兄である歌手の鳥羽一郎さんをはじめ、家族や周りの人の存在が大きかったと語ります。(構成:丸山あかね 撮影:宮崎貢司)

失意のどん底で思わず兄に電話した

おかげさまで、今年で歌手生活45周年を迎えました。2月に渋谷で開催された「キックオフスペシャルコンサート」では、新曲の「駅」をはじめ、21曲を歌い切ることができて感無量!

じつは2023年12月に、ステージIVの肺がんであることを告知されました。「もう歌えないかもしれない」と失意のどん底にいた僕に、勇気や希望を与えてくれたのは、応援してくださるファンの皆様です。

全国から届いたたくさんの千羽鶴やお守り、励ましの言葉の数々……。負けられない、歌いたいと強く思いましたね。せめて45周年まではどうしても、と。

そして今、僕は生きている、そればかりか歌っている。これは奇跡だと思います。

それにしても、ここに至るまでの2年間はつらかった。まさに怒濤のような日々でした。がんを告知される2年前から、近所のクリニックで胃と腸の内視鏡検査と併せて腫瘍マーカーの血液検査を行っていたのですが、前年から数値が10倍にはね上がっていたそうで。