2021年、若手落語家の登竜門「NHK新人落語大賞」で、女性として初めて大賞を勝ち取った桂二葉(かつらによう)さんは、上方落語界の旗手として活躍中。二葉さんに続いて、昨年2人目の女性受賞者となった春風亭一花(しゅんぷうていいちはな)さんは、この秋真打昇進を控えた江戸落語の実力派です。普段から「姉さん」「一花さん」と呼び合う間柄の2人が、お互いの第一印象から噺家としての喜びまで、思いの丈をたっぷりと語り合います。(構成:平林理恵 撮影:橘蓮二)
初めましてでお互いファンに
二葉 取材を受けるたんびに「女性として落語をやること」について聞かれますけど、そういう意識はあんまりなくって。入門以来、心がけてきたのは、まっすぐ、自然に演じること。
とはいえ、昔から「女には古典落語は難しい」と言われ続けてきた世界やから、NHK新人落語大賞で優勝したときには、つい「ジジイども、見たか」と言うてしもて、だいぶ話題になってしまいました。
昨年、一花さんが優勝しはったので、もう「女には難しい」なんて誰も言わはらへんのんちゃうかなぁ。
一花 昨年、大賞を取ることができたのは、姉さん(二葉さん)の存在のおかげと思っています。一昨年は決勝まで行ったのに、賞レース用に考えた渾身のネタで駄目で。燃え尽き症候群になっていました。
二葉 あれは悔しかった。出来もめっちゃよくて、これは一花さんがぶっちぎりで優勝やな、って思てたから。
一花 大会後、勉強会の楽屋に姉さんが来てくださったんです。一緒に悔し泣きしながら、「私だけじゃあかんねん」。あれは刺さりました。やれる限りやってみようと気持ちを奮い立たせることができた。姉さんが背負っているものを感じたし、私も一緒に背負いたいとも思った。
二葉 「また来年がんばりや」って、軽はずみなことを言うてしもたなぁって、実はあのあとすごく反省して……。
一花 とんでもないです。リベンジで挑んだ昨年大阪での決勝の前日には、勉強会を開いてくれましたよね。会場を取って、お客さん集めて。姉さん、めちゃくちゃ忙しいのに。前日に一度高座でやったほうがいいって。
二葉 ネタを試す場数は絶対必要やから。