老朽化が進んだ家を修繕・改修すべきか、いっそ住み替えるべきか――。お金がかかる人生の一大イベントを円滑に進めるコツを、専門家2人がアドバイスします(構成:山田真理)
快適な空間づくりのポイント
阿部一雄(一級建築士)
人と同じように、家にも健康な状態で住み続けられる「健康寿命」があります。シニア世代のリフォームというと、「介護しやすい家」にするイメージが強いかもしれません。
しかし本当に大切なのは、住まいが原因でケガをしたり健康を損なったりしないよう、安全・快適な空間に整えることです。
たとえば、車いす生活を想定して廊下を広げたいという依頼をいただくことがありますが、私が手がけた事例のうち、実際に住人が車いす生活になったのは数例。むしろ廊下は狭いなら狭いなりに、よろけた時に壁に手をついて体を支えられるメリットもあるのです。
大事な指針となるのは、家の状態や住人に合わせて生活の不便さを解消し、いかに快適な暮らしを実現するか。そのために、「この先どんな人生を送りたいか」「生活の中で何を重要視しているか」を家族で話し合うこと。
検討の結果、リフォーム費用が2000万円を超えるようなら、平屋への建て替えや、住み替えも視野に入れましょう。