(写真提供:Photo AC)
2023年(令和5年)10月に実施された総務省統計局の『住宅・土地統計調査』によると、日本の全国平均の持ち家率は約61%だそうです。65歳以上ともなると、81%にものぼります。そんな中、現役のFPであり、ご自身も実家じまいの経験を持つ坂本綾子さんは「いずれどのように手放すか、避けては通れない問題です。大げさだと思われるかもしれませんが、あなたの実家じまいは日本の風景と経済につながっています」と語ります。そこで今回は坂本さんの著書『お金のプロが実体験をもとに導く 実家じまいの最適解』より一部を抜粋してお届けします。

【自分で家財処分をする際のポイント】 感情に振り回されることなく捨てる

実は、実家じまいをすでに行った人から聞くと、いちばんこの家財処分が大変だったという人が多いです。彼らに家財処分のいちばんのポイントを聞いたところ、「感情に振り回されることなく、とにかく捨てる」という回答がほとんどでした。趣味の多い親だと生活用品以外にも趣味に関連する道具や作品、写真などがたくさん残っていて悩むところです。私の場合、母の茶道具の一部は近所でお茶をたしなむ方に譲り、自分が使いそうなものだけを残して他は処分しました。

家財処分の際に必ず確認したいのが、家のどこかに現金を置いていないかです。私の母は、1万円札が10枚、20枚と入った封筒を、いくつか持っているバッグに入れていました。洋服ダンスに掛けたコートやジャケットのポケットにも1万円札入りの封筒が入っていました。母にそういう習癖があることを知っていたので、家財を処分する際には袋物や衣類のポケットはくまなく確認しました。食器棚の中に紅茶の缶があり、なにげなく手に取るとずしりと重かったことから中を確認すると500円玉貯金をしていて合計で約12万円入っていました。家の中にけっこうな現金を保管し、それを忘れている高齢者は私の母に限らずいるようです。

現金がないか、大事な書類が引きだしなどに入っていないかを確認した後はいよいよ全体の片付けに入ります。家具、家電、調理器具や台所用品、衣類、書籍や雑貨類……。家の片付けと同様に、まずは処分する方法に合わせて分類しましょう。その後、自治体のルールに従って集積所などに出しましょう。自分で行動すれば、時間はかかりますが、それだけお金は浮かせられます。

実家と自宅が近く、費用をかけずに片付けたいなら、一般ゴミとして出せるものは自治体のルールに従って収集日に収集場所に運びこむのもいいでしょう。自治体の制度に従い、粗大ゴミやリサイクル制度を活用します。

注意したいのが家電リサイクル法の対象である4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)。家電リサイクル料金を払って(家電リサイクル券を購入して)家電販売店に引き取ってもらうか、自治体の指定業者に収集してもらう必要があります。料金は家電の種類とメーカーによりますが1点550~5000円程度です。このように、自治体の制度を使うのがいちばん安上がりです。