厚生労働省の「令和5年(2023)患者調査の概況」によると、在宅医療を受けた推計外来患者数は、平成8年以降増加傾向となっているそうです。医師として、僧侶として、3000人以上を看取ってきた小笠原文雄さんは「幸せに歳を重ねる人ほど我慢が少ないことに気づいた」と語ります。「笑って大往生」するためには、どのように生きていけばよいのでしょうか。今回は小笠原さんの著書『笑って大往生できる人できない人』より、一部を抜粋してお届けします。
がんは告知した人のほうが長生きする
「あなたはがんです」と告知されたら、大きなショックを受ける人がほとんどでしょう。
そのため、家族ががんだとわかったときに、「本人に告げてもいいのだろうか」、「最期まで隠したほうがいいのだろうか」と悩んでしまうことは珍しくありません。
私の経験では、告知をした患者さんのほうが、告知をされなかった患者さんよりも長生きをします。
告知をされなかった患者さんは、疑心暗鬼に陥りがちです。治療を受けていても体調が悪化していくことに、「どうして?」と疑問を抱きます。「本当は別の病気じゃないのか?」と不安だけでなく医師への不信感も生まれます。
こうして、不安が募っていくと、免疫力が下がります。そのために、告知をされなかった患者さんの余命が短くなるのだと考えられます。
もちろん、「本当のことなど聞きたくない」と性格的に告知を希望しない患者さんには、病名や余命を告げません。また、患者さんの様子を観察せずに、一方的に告知することもありません。