南美希子さんと森下竜一教授
女性の平均寿命が41年連続で世界一の日本。長い人生だからこそ、できるだけ健康に過ごしたいですよね。そこで、今回は加齢による病気について研究している一般社団法人日本抗加齢医学会理事長の森下竜一大阪大寄附講座教授と、特定非営利活動法人日本抗加齢協会のアンチエイジングアンバサダーを務める南美希子さんに「認知症と脳の働き」について語ってもらいました(取材・文・婦人公論.jp編集部 撮影:本社 奥西義和)

認知症検査は患者のストレスに

南 日本の認知症患者数は約600万人、軽度認知障害(MCI)を含めると1000万人超と推計されていますが、中には「おかしい」と思う症状があっても病院に行きたがらない患者さんは多いと聞きます。

森下 病院の認知症検査では、15分ほどの記憶力テストなどが行われますが、患者さんは苦手なことを尋ねられるため、非常にストレスがかかります。人前でテストに答えることの抵抗が強く、受診を嫌がって結果的に認知症が見逃されている例もたくさんあります。

そこで、大阪大学の私の教室では、民間と共同で、視線の動きだけで認知機能を評価できる「ミレボ」という医療機関向けアプリを開発しました。画面に表示される質問に対し、患者が正解だと思う箇所を見つめることで、データがスコア化されるのです。

これであれば、患者が間違った箇所が周囲に伝わりにくいため、安心してテストを受けることができます。実際に2025年1月から医療現場で認知症の診療支援に用いられています。また、同じ原理で一般向けに開発された「ミルダケ」というアプリもあり、こちらはジムやイベント会場などで使用されています。