100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第135回は「初めましての宝塚へようこそ」です
宝塚へようこそ
最近、よくこんな話を聞きます。
「初めて宝塚を観たんですけど、すっかりハマっちゃいました」
それも、男性からです。
ただ、よくよく話を聞いてみると、最初から宝塚に興味があったという方は、意外と少ないのです。
宝塚に縁がなかった男性が劇場に足を運ぶ理由といえば、奥さまや彼女に連れてこられた。
あるいは、お仕事のお付き合いで仕方なく。
半ば強引に連れてこられた、というケースが大半です。
つまり、最初から自ら望んで劇場に足を運んだわけではないのです。
初めての宝塚というのは、男性に限らず、案外自分の意志でなく、誰かに連れてこられて辿り着く場所なのかもしれません。
「宝塚って、あれでしょ?女性が男の格好をしている……」
まぁ、間違ってはいません。
間違ってはいないのですが、それだけで説明が終わるほど、こちらは単純な世界ではありません。
そして、何となく連れてこられた人は、そのくらいの認識で劇場に入り、幕が開いた瞬間、目の前に広がる華やかな舞台に圧倒されるのです。
「えっ、あの人、男なの?」
いえ、女性です。
「じゃあ、あの人は?」
女性です。
「じゃあ、あの人も?」
全員、女性です。
宝塚は、そういう世界なのです。
