(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
2027年放送予定のNHK大河ドラマ第66作は、『逆賊の幕臣』です。松坂桃李さん演じる主人公・小栗上野介は「江戸幕府の末期を中枢で支えた幕臣」とされますが、名前を聞いたことはあっても、どんな生涯を送った人物なのかよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。幕末維新期が専門の塚越俊志先生は「小栗の生涯を振り返ることによって、日本の近代化の原点が見出せる」と語ります。そこで今回は塚越先生の著書『小栗上野介-「逆賊」とされた開明派幕臣』より一部を抜粋し、小栗上野介の「幕府の命運に殉じた42年の生涯」をお届けします。

ペリー再来航とプチャーチン来日

嘉永6年(1853)、小栗上野介忠順は進物番役となり、本丸で13代将軍徳川家定に仕えた。

進物番役とは、表御殿に将軍が出座する儀礼の席で、大名・旗本からの儀礼的な献上品(進物)の周旋を行い、決められた場所に配置する役職である。

翌7年、ペリー再来日のため、浜御殿(現在の浜離宮恩賜庭園)の警備に当たった。当時は徳川将軍のお浜お庭、別荘である。四方を海と堀割で囲まれ、守りやすい庭園であった。なお、浜御殿奉行は木村喜毅の家が代々務めている。

この時の浜御殿の動員は幕臣や江戸の町方人足だけでなく、高松藩主松平頼胤(よりたね)も家臣を連れて出動した。この防備には大洲藩士で西洋軍事技術に明るい武田斐三郎もいた(水谷三公『将軍の庭』)。