青木さやかさんの好評連載「47歳、おんな、今日のところは「……」として」ーー。青木さんが、47歳の今だからこそ綴れるエッセイ。母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」が話題になりました。第9回は「〈こじらせ系〉として」です。
20歳の頃。大学のサークルにて

誠実に、でもミステリアスに

名古屋でタレントをしていた20代前半。『ルールズ』という恋愛マニュアル本に出合った。モテると評判のタレント仲間が
「この本の通りにすれば落ちないオトコはいないよ」
と名古屋の地下街で言っていて、そんなことがあるなら乗らない手はないぞと即購入した。

元々は全米で大ヒットした恋愛指南書。大変にモテたジョン・F・ケネディJr.と結婚したキャロリン・べセットが、「この本を読んで彼を射止めたの」と答えたことも、ヒットの一つの理由らしい。

一言で言うとすれば「男性の狩猟本能をかきたて、追うのではなく追わせる」ということが書かれている。その為の、いくつかのルールがある。たとえば

1.電話の会話はこちらから終えること
1.彼と会うのは週に2回まで
1.誠実に、でもミステリアスに

本の通り(誇張はしているが)試したことがある。出会って間もない男性と電話で話す機会があった。ミッションは、電話は早めに自分から切り上げる、そして彼がいなくても充実し幸せだと伝えなくてはならないというものだ。