「つくづく、僕たち日本人はクイズが好きなんだなと思います。」(重松さん)左から宮崎美子さん、重松清さん、伊沢拓司さん(撮影:木村直軌)
テレビでクイズ番組を見ない日はないほど。今回のゲストは、数々の番組で実力を発揮してきた「クイズの女王」宮崎美子さん。そして、ブームの若き牽引役である「東大王」伊沢拓司さん。懐かしい番組から最新の潮流まで、語り合いました(構成=福永妙子 撮影=木村直軌)

素人が参加して夢のハワイ旅行

重松 つくづく、僕たち日本人はクイズが好きなんだなと思います。僕は今57歳ですが、物心ついたときからテレビではクイズ番組がありました。その時々で人気の浮き沈みはあっても、絶えることはない。宮崎さんはクイズ番組の変遷を解答者として体験してこられました。デビュー後すぐの頃から『クイズダービー』(1976~92年)のレギュラーでしたね。

宮崎 81年から約2年です。でも、実は芸能界に入る前、熊本にいた大学2年生のときに『アップダウンクイズ』(63~85年)にも出ていたの。

重松 ああ、「夢のハワイ旅行」!

宮崎 ハワイ行きは夢に終わりましたが、それがクイズ番組の初体験でした。

重松 クイズの歴史にも大変造詣が深い伊沢さん、世代的にリアルタイムではご存じない『アップダウンクイズ』には、どのような評価や感想をお持ちですか。

伊沢 『アップダウンクイズ』が日本の早押しクイズの歴史をつくったとも言えます。解答者の乗ったゴンドラが《アップダウン》し、1回間違えると、1番下まで落ちていく。「10問正解すると夢のハワイ旅行」というのも、当時の憧れで、クイズは素人が参加して夢を追うものだ、とこの番組で示されました。

重松 なるほど。視聴者が参加するのはこの頃からですか。

伊沢 はい。それも「本気で参加」です。この番組で、視聴者参加のクイズエンタメの型ができました。

重松 なるほど。伊沢さんご自身はいくつの頃からクイズに興味を持つようになったのですか?

伊沢 中学1年のときに「クイズ研究部」に入ってからです。当初入った運動部についていけず、残った選択肢が「クイズ研究部」だけだった。テレビのクイズ番組を見るようになったのはそれからですね。『平成教育委員会』(91~97年・特別番組2000年~)や『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(04年~)などに、クイズが得意なタレントさんたちが登場して。宮崎さんのことも、僕、中学生の頃からずっと見てました。

宮崎 ありがとうございます。(笑)