左から齋藤孝さん、清水ミチコさん、為末大さん(撮影:大河内禎)
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長職にあった森喜朗さんの、女性をめぐる発言が波紋を呼んだのは2月3日のこと。森さんの辞任、後任後継者の浮上、その白紙化、人事の再検討……と急転直下の騒動のさなかに齋藤孝さん、為末大さんと会った清水ミチコさんは、この話をせずにはいられません――(撮影=大河内禎)

<前編よりつづく

自己主張のほどよい加減って?

清水 最近は女性をめぐる差別の問題が取り沙汰されることが増えてきましたね。

齋藤 権利としての平等は、もっと進めていったほうがいいですよね。ただ、西洋のような自我を持った社会を目指しすぎると、日本人は慣れなくて、きつくなる場面もあるかもしれない。

清水 自己主張できたほうがいいけど、自己主張が多くなりすぎると、ストレスを生むっていう。

為末 個人が意見を戦わせているうちに、分断が生まれたアメリカのようなケースもありますしね。ほどよい加減が知りたいです。

齋藤 ちょっとしたことでも、主張するとそのあとにドッと疲れることってありません? ホットコーヒーをお願いしたのに、アイスコーヒーがきたとしますね。僕はどうするかと言うと、アイスコーヒーをそのまま飲みますね。(笑)

清水 私は「ホットを頼みましたけど、アイスでけっこうです」くらいは言いたいですけど(笑)。それにしても今回のオリンピックは、競技場建て替えやエンブレム選び、招致疑惑、コロナでの延期、今回の森さんのこととか、振り返ると混乱や災難続きでしたね。