まちと共に生きる -美しい城下町を訪ねて-

上、瑞雲寺の写真。左下「オランダ商館通り」の写真。右下、 400年続く南蛮菓子カスドースの写真

上 左手の瑞雲寺は16代松浦勝の開基と伝えられる由緒ある寺院。山門前の坂の先には平戸港が見える。

左下 江戸時代とほぼ変わらない町割りを残す商店街。今は「オランダ商館通り」と呼ばれている。

右下 400年続く南蛮菓子カスドース。松浦史料博物館の茶室・閑雲亭にて。

海外交易の歴史と文化が薫るまち 長崎県平戸市

長崎県平戸市平戸地区は、海に臨む風光明媚な城下町だ。このまちはもともと港を中心に栄えてきた。古くは遣唐使の寄港地として、16世紀以降はポルトガル、オランダやイギリスとの海外貿易の拠点として、長崎出島にオランダ商館が移るまで日本随一の交易都市だった。この港の重要性に着目した平戸松浦(まつら)家26代松浦鎮信(しげのぶ)によって、慶長4(1599)年に築かれた平戸城は、その後焼失、再建されたが明治に入って廃城。昭和37(1962)年に復元されている。

藩主は港に近い土地を商人に与え、武家屋敷を最外郭に広がる台地の上に設けた。写真の瑞雲寺の前を通る道は、今では住宅地となった台地と港を繋ぐ大切な生活道路。振り返れば、寺の瓦屋根越しに平戸ザビエル記念教会の十字架が見える。西洋と日本の文化が融合した平戸の歴史を象徴する坂道だ。

平戸で生まれ、定年後に故郷に戻った籠手田(こてだ)惠夫(よしお)さん(80歳)は、他にはないこのまちの風景が大好きだと話す。「Uターンを決めたのは帰郷するたびにほっとできたから。商店街で育った私は子どもの頃、よくこの坂道を通っていました。今もここを通るたび、海を見ては癒やされています」。

ほかの写真

1939年築造倉庫を忠実に復元した「平戸オランダ商館」。内部には絵画や地図などを展示している。 復元された平戸城見奏櫓(けんそうやぐら)。二の丸北部にあり、平戸瀬戸を見下ろすことができる。 地元の人に親しまれているちゃんぽん。ルーツである長崎ちゃんぽんより太麺で野菜が多いとか。

インフォメーション

●交通:瑞雲寺へは、西肥バス平戸市役所前バス停から徒歩約3分。
●お問い合わせ先:平戸市文化観光商工部観光課
TEL 0950−22−9140 

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