草野心平の詩「婆さん蛙ミミミの挨拶」に登場する婆さん蛙に心を打たれて(写真提供:photoAC)
歳を取ることについて、どちらかというとマイナスなイメージを持っている方は多いのでは。しかし「老いることは、生物が進化の歴史の中で磨いてきた戦略である」と、静岡大学大学院農学研究科教授の稲垣先生は話します。人気エッセイストとして、著書も多数執筆している先生が、注目する生きものを取り上げながら、その「老い」について考えてきます。今回取り上げるのは、「カエル」です。

蛙(かえる)の詩人と言われた草野心平

草野心平の詩の中に、私のお気に入りがある。

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地球さま。

永いことお世話さまでした。

さようならで御座います。

ありがたう御座いました。

さやうならで御座います。

さやうなら。

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これは、「婆さん蛙ミミミの挨拶」という詩である。

この婆さん蛙のように、死んでいくことができたとしたら、どんなにすてきだろう。