かつて壮絶ないじめを受けていたという副島さん。テレビで活躍するようになった今、子どもたちを前に伝えていることとは(写真提供:潮出版社)
日本人の母親とアフリカ系アメリカ人の父のもとに日本で生まれ育った、俳優でタレントの副島淳さん。ドラマや映画では独特の存在感を発揮し、特にバラエティー番組などではとても明るい印象を残していますが、かつては壮絶な「いじめ」「差別」を受けてきました。その副島さん、学校で講演をしたり、インタビューで話したりする際、必ず子どもたちに伝えていることが三つあるそうです。
この記事の目次
“いじめっ子”はすべての人のなかに存在している
いじめっ子も変わる 自身の経験を踏まえて子供たちに伝えてきたこと あの時に死に切れなくて本当によかった まさか自分がテレビのなかで仕事をするとは

“いじめっ子”はすべての人のなかに存在している

著書の『いま君のいる場所だけが、世界のすべてじゃない』では、頻繁に「いじめっ子」という言葉を使ったと思います。しかし、改めて自分自身の経験を振り返ってみて考えているのは”いじめっ子”なんて存在しないのではないかということです。

人間がいる。その人が、ある時にはいじめる側の人間にもなれば、別のある時にはいじめられる側の人間にもなる。

つまり、どこかに絶対的な”いじめっ子”や”いじめられっ子”がいるわけではなく、誰もが相対的に、あるいは構造的に、いじめる側にもなり得るし、いじめられる側にもなり得るということです。

逆の見方をすれば、“いじめっ子”はすべての人のなかに存在していると言えるのかもしれません。

僕はいじめ問題の研究者ではありません。ただなんとなく、本気でいじめをなくしていくためには、まずはこのことを受け止めないといけない気がしています。