鎌田先生いわく、怒りは悪いことばかりではなく、いかに怒りをコントロールできるかが大事とのことで――(2018年7月撮影。写真:本社写真部)
「名前が出てこない」「昨日の夕飯は何だったっけ」「また同じ本を買ってしまった」……高齢になると増えてくる「もの忘れ」の悩み。一方、長年にわたって高齢者医療を牽引する鎌田先生は「人生の8割は忘れていいこと」「嫌な気分も、他人の評価も、古い健康常識も、気が進まない人間関係も、忘れることで幸せな老後が待っている」と主張しています。その鎌田先生いわく、怒りは悪いことばかりではなく、いかに怒りをコントロールできるかが大事とのことで――。

怒りを忘れる技術を身につける

元プロテニス選手、ロジャー・フェデラーのファンです。

彼はもともと気性の荒い選手で、うまくできないと感情を爆発させ、ラケットをたたきつけて壊したり、試合そのものを壊したりしていました。

その彼が、4大大会を20回も制覇できたのは、怒りをコントロールできたことが大きかったと思います。

高齢になると、キレやすくなる傾向があります。怒りをコントロールする前頭前野の働きが低下するためと考えられています。

すぐに頭に血がのぼって、怒りを爆発させてしまう人は、怒りを忘れる技術を身につけることが大事です。アンガー・マネジメントです。