人気ミュージシャンとして数々のヒット曲を世に送り出してきた財津和夫さん。2022年から2023年にかけて「チューリップ50周年記念ツアー」を展開し、私生活では大病を克服、孫にも恵まれました。「年をとるのも悪くない」と話す日々はいかに――。娘のけいこさんと語り合います(構成=福永妙子 撮影=鍋島徳恭)
〈じぃじ〉として娘と接する
和夫 こんなふうにあらたまって2人で話すなんてこと、滅多にないよね。そもそも歳も離れているし、話が合わない。
けいこ そう思われていたとは知らなかった(笑)。まあ、たしかに歳の差、42歳だものね。
和夫 ましてや今、あなたは2人の子どもの育児で大変だから。
けいこ 2歳の息子と4歳の娘。手がかかる時期で毎日バタバタしてます。そうそう、このあいだはありがとうございました。子どもの具合が悪くて私が大変なとき、手伝いに来てくれて。
和夫 手伝いってほどじゃないよ。
けいこ ちょっと見ててもらってるだけでも、助かりました。
和夫 よく言われることだけど、孫は無責任に可愛いよね。自分が親だったときは、わが子をどんなふうに育てていいかわからない。だんだん育つうちに、「過剰に心配してたんだな」と思ったり、反省も生まれてくる。
だから今、あなたが子どものことで「どうしよう」とオタオタしているときも、「そのくらいなら大丈夫、放っておいたら治る」と言えるくらいの気持ちの余裕ができてるんだね。