今のコミュニケーション

S)感情を動かすコミュニケーションは、恋愛関係だけでなく友情関係、家族関係、仕事関係にも通じます。意外な事に、親子関係や嫁姑問題がある場合、近年そのコミュニケーションの取り方は直接の対面でのトラブルは少なく、ほとんどが会っていない時のメールやLINEのやり取りだそうです。昔は人間関係の基本になる9割の部分において、対面か電話が主流でしたが、現代においてはそのやり取りが上手くいかないと問題を引き起こしていますから、下手か上手かで、人生180度変わってしまいます。

N)昔は基本的には一度直接お会いして、コミュニケーションをとってからメルアドやLINEを交換したり、が多かったと思います。それでもリアルに会った印象よりも、その後のメールとかLINEのやり取りの方が大事なんですか?

S)はい、会った時の印象を、メールなどで悪くしてしまう可能性もありますから重要ですよ。また、今はFacebookなどで会う前から相手と繋がって、そこで仲良くなっておいてからリアルで会うので、仲良くなるスピードが速くなったんです。本当には会ったことはないけど、LINE、Instagram、YouTube、TikTokなどで接触回数が上がっていると、初めてリアルで会った時のコミュニケーションが断然早く、取りやすくなります。

「単純接触効果」と言って、繰り返し見たり会ったり接触回数が増えるほど警戒心が薄れていき、親しみや親近感を感じる。その対象は人だけでなくモノや音楽、目に見えないものでも起こります。リアルで1回会うのも1回ですし、メールで一往復やり取りするのも、脳として1回のコミュニケーションとカウントされるので同じなんです。

N)なるほど。メールでのやり取りの回数とリアルの接触の回数は同じ感覚なんですね。

S)中脇さんと初めてお会いしたときも、事前にメッセンジャーでお仕事のやり取りを結構させて頂いていたので、初めて会った感じがしなかったですよね。

N)確かにそうですね!

S)そうなんです。「どうもどうも、今回は本物です(笑)」みたいな事になるのですが、これを分かっている人は、出会いの最初の段階で距離を縮められるのです。