天国の母への親孝行に
ブロードウェイの舞台に立ちたいという夢は諦めていません。いまはトレーニングのためにたまにひとりでカラオケボックスに行って歌うくらいで、本格的なボイストレーニングはお休みしていますが、そろそろ身体づくりも再開したいんですよね。
私はいま33歳ですが、海外では40歳くらいからキャリアを積む人もいます。それに今年、アジア系女性としてはじめてアカデミー賞主演女優賞を獲得した60代のミシェル・ヨーさんにもすごく勇気をもらったんです。
たくさんのかっこいいお手本があるので、息子の人生を大事にしつつ、私らしいペースで夢を追いかけていきたい。それが、天国の母への親孝行だとも思っているので。
いまの私には、大勢の家族がいます。たとえば父の再婚相手の(東尾)理子ちゃんは、人間関係をオーガナイズするのがとても得意。
息子は1歳半なので、11歳の理汰郎くんたちの遊び相手にはまだなりませんが、もう少し大きくなったらきょうだいみたいに育ってほしくて。実際は、理汰郎くんたちは息子の叔父・叔母なんですけどね。(笑)
ポールさんのいまのパートナーは、オリバーのことをすごくサポートしてくれているので感謝しています。彼女はキャスティングの仕事をしていていて、私にとってメンターみたいな存在。母がいないことは寂しいけれど、こんなふうに家族が拡大しているので、私はいろいろな人に守られているのだと感じています。
息子を母に会わせられなかったのは残念でしたが、思えば私も、父のお父さん(NHKアナウンサーの石田武さん)が亡くなった翌年に生まれたので、会えていないんです。
でも祖父から守られている感覚はあるし、残された映像を見て尊敬もしています。だからいつか息子も着物姿の母の写真を見て、「こんなきれいなおばあちゃんだったんだ」と思ってくれたらうれしいな。
いまも母は、けっこう頻繁に私の夢に出てきます。私は夢がはっきりしているタイプなので、会話した内容なんかもちゃんと覚えているんですよ。夢のなかでも母に会えるのはうれしいし、その余韻が私にエネルギーを与えてくれている気がします。