子どもって、どんなことにも「なぜ」「なんで」って質問するでしょう。大人になると普通はその回数が半減するか全滅しちゃって、「世の中そういうものなんだよ」って考え方になる。

ところが僕は根が幼稚なものだから(笑)、「なぜ」「なんで」が今でも続いていて、だからずーっと、仕事が楽しい。食事の量は半減したけど、食への好奇心、探求心はまったく減りませんね。

今年の5月末に週刊誌の休刊に伴って終了したエッセイ連載が、媒体を変えて復活することが決まりました。また連載が増えるけれど、こんな年齢になっても毎日楽しく働けているのだから、この商売をやっていて良かったなあとつくづく思います。

退院してまだ2ヵ月ちょっとですから、これから徐々に体調も回復してくるでしょう。薬の量が減ったら、ビールもまた美味しくなるかもしれない(笑)。

それを楽しみに、無理せずぼちぼち、毎日を過ごしていこうと思います。

【関連記事】
東海林さだお85歳「脳梗塞になりながら片目で原稿を描き上げて。入院中一番辛かったのは、塩気のない魚一切れ、小鉢、ご飯の質素な食事」
清水ちなみ「46歳、脳梗塞で言葉を失って。ファスナーの開閉に2年、髪をしばるのに5年以上。家族に支えられ、今はとても幸せ」
田村セツコ「70歳で、91歳の母とパーキンソン病の妹、3人での暮らしを決意。約6年の老老介護では、疲れを感じなかった。最期に、自分のお葬式はしないでほしい」