食事量は半減したけど好奇心は減りません

ただ、あの塩気のない病院食については、ずっと頭に引っかかっていることもあるんです。病院の料理人は、なぜ、もっと美味しくしようという努力をしないのだろうか。

たとえばサバの切り身があったら、これをどう美味しくしようか、味噌煮なら砂糖はどれくらいがいいかな、とか普通は考えるわけでしょう。それを一切抜きにしてサバを調理する気持ち。

この飽食の時代にありながら、食べても美味しくないとわかっている料理を作り続ける。非難したいわけじゃなく(笑)、純粋な好奇心として病院の料理人の気持ちを一度じっくり聞いてみたいです。

食にまつわる僕のエッセイは、基本的にそうした「なぜだろう」「なんでかな」が出発点です。

甘栗を剥いてパックにした商品はヒットしたけれど、じゃあ枝豆をサヤから出してお皿に盛ってあったら食欲はそそられるのか、トウモロコシならどうか、など(笑)。

食事の途中の手間と美味しさの関係って、改めて考えると面白いじゃないですか。