「あれだけ私は本番を乗り越えてきたんだし」と思い出すと、「大丈夫、なんとかなる」と前向きになれました(撮影◎下村一喜)
国内で800万部、海外では2500万部のベストセラーとなり、多くの人々に愛される物語。その続篇を上梓した黒柳徹子さんは長年、ユニセフの親善大使として世界中の戦争や飢餓、病気などで苦しむ子どもたちを支える活動を続けています。徹子さんが変わらず抱く思いとは(構成=篠藤ゆり)

<前編よりつづく

生放送は毎日が訓練で

これはさんざんあちこちで話してきたことですが、私がテレビ女優を始めたころ、ドラマは生放送でした。今それを言うと、役者の方々はみなさん「そんな~、イヤです!」「ぜったいにできな~い」と言います。

生放送ですから、ハプニングやトラブルはしょっちゅう。台詞を忘れちゃった役者がいると、とっさに「あなた、こうおっしゃりたいのよね」なんて、その人の台詞を全部言ってあげたり(笑)。

私は本来、ぼんやりしている人間だったと思いますけど、ぼんやり立っていても生放送はそのまま続くわけです。誰かの指示を待つのではなく、とにかく何かをして、その場を乗り切らなくてはいけない。

本当に大変でしたし、毎日毎日、訓練させられているみたいなものですから。やっぱり、鍛えられたと思います。