自分が変わった気になりたいだけ

ファッションエディターの昼田祥子さんは、人が新しい服が欲しくなるのは服が好きだからではない、と分析する。

写真提供◎AC

「人間関係や仕事のストレス、年齢的な焦り、キャリアの不安、自分に対する苛立ち。でもどうしたらいいかわからない。自分にげんなりする。そういうときにふらっとショップに行って安易に買ってしまうわけです」

「『新しい服が欲しい』ではなくて、私は手っ取り早く『新しい自分になりたかった』のだと今となっては思います。外見が変わると、自分は変わったと錯覚してしまう。服って変わるツールとしてはものすごく手軽なんですよ」

mi-mollet「服が欲しくなる」のは服が好きだからではないと気がついた(後編)【エディター昼田祥子】より

私たちが外で新しい出会いを求めるのは、何かしらの満たされなさやフラストレーションが根本にあるからなのだろう。イケてる人と恋人や友達になれば、自分もイケてると思えるから。新たな出会いによって、他人の力を借りて、自分が変わった気になりたいだけなのかもしれない。