評論家の樋口恵子さん(右)と経済ジャーナリストの荻原博子さん(左)(撮影:宮崎貢司)
老後の気がかりはあれこれ尽きぬもの。そんななかで「どう機嫌よく生きるか」を説いた新刊『老いの上機嫌』が話題の樋口恵子さん。お金の不安を和らげる発信を続けている荻原博子さんと、人生後半を機嫌よく生きるコツについて語り合いました(構成:篠藤ゆり 撮影:宮崎貢司)

ちょっとしたことでも気分が上がる

荻原 お久しぶりです。お元気そうですね。

樋口 いえいえ、足腰の〈ヨタヘロ〉も進みまして。先日も、講演の壇上で杖を使わずにヨタヨタヘロヘロ歩いて、会場の皆さんの同情を買ったばかりです(笑)。私なりに〈老い方〉の一例を披露している次第です。

荻原 ずっと現役で活躍なさっているのですから素晴らしい!

樋口 最近は、理事長を務める「高齢社会をよくする女性の会」の活動や「ここぞ」というときにはがんばって外出して、「介護保険の改悪は許さない!」などと気炎を吐いていますけど、一人で出歩くことはしなくなり、ふだんは家にこもりがちです。でも今日は荻原さんにお会いできるのがうれしくて、お化粧をしてアクセサリーなんぞもつけてみました。

荻原 おしゃれは大事ですよね。気分が上がりますから。

樋口 私は91歳ですが、長く生きていると、昔買ったアクセサリーやスカーフがそれなりに溜まるでしょう。どなたかと会うとき、あれにしようか、これをつけようかと考えると、楽しくなります。荻原さんも、鮮やかなピンクのきれ~いなジャケットがよくお似合いだわ。