ある時からご都合主義に流れていく

この生活を見て、「質素だけど心地いいじゃん、幸せジャン!!」と思ったのは私だけではないはずだ。余計な人間関係から離れて、贅沢は出来なくても暮らせる毎日の仕事がある。おまけに20代のキャバクラ嬢にモテたり!

ある時からフィルムは相当なご都合主義に流れていく。コインランドリー向かいの居酒屋のママ(石川さゆり)に「あえるかな」と、様子を窺いながら平山が洗濯していると、ママが現れ店を開け、今度は別の男がやってきた。

なぜかドアが半分開いているので中を見ると、ママと男は熱く抱擁中! ショックを受け自転車で逃げた平山(役所広司)だが、その後隅田川沿いの遊歩道でショートホープにむせていると、なぜかママとハグしていた男(三浦友和)が「1本いいですか」と現れる。どのようにして平山に追いついたのか。

このあたりでかなり引いたが、更に男が「彼女は前の女房で…会いたくなっただけなんです。実は僕、ガンなんです」と、韓流ドラマもびっくりの安直な台詞と展開になったのには絶句した。影ふみなどのシーンは悪くはないが、「あいつを頼みます」などと、初対面の男に言われていいものか。