ひとりの自由を楽しむ

和田 日にち薬という言葉があるように、時間が経つと孤独感や喪失感は薄れ、ひとりに慣れていきます。

孤独というのは不思議なもので、家族と一緒に暮らしていても、孤独を感じないとはかぎりません。

家族のなかで疎外感を覚え、孤独を深めている人もいます。

人づきあいが多い人でも、嫌いな人間と無理につきあうことほど、むなしいこともないでしょう。

高齢になったらそうした人づきあいのしがらみから解放され、ひとりの自由を楽しむのもいいものです。

※本稿は、『うまく老いる 楽しげに90歳の壁を乗り越えるコツ』(講談社)の一部を再編集したものです。

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うまく老いる 楽しげに90歳の壁を乗り越えるコツ』(著:樋口恵子・和田秀樹/講談社)

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