人に歴史あり、歌に歴史あり
フォーク・デュオの雅夢(三浦和人、中川敏一)は、1980年5月、第19回ヤマハポピュラーソングコンテスト、つま恋本選会で『愛はかげろう』で優秀曲賞を受賞。9月にテイチクからレコードデビューを果たし69万枚のヒットを記録していた。
高田みづえは、サザンオールスターズのカヴァー曲『私はピアノ』を前年7月にリリースして日本歌謡大賞放送音楽賞を受賞。自身のキャリアで最大のヒット曲となった。まさにアイドルから大人のシンガーへと成長した瞬間でもある。
そして川中美幸は、1980年3月にリリースした『ふたり酒』が、100万枚を超すミリオンセラーとなった。1977年にテイチクヒット賞を受賞した『あなたに命がけ』以来、大ヒットに恵まれなかった川中が「25歳までにトライしよう」と24歳の誕生日にレコーディングした『ふたり酒』は80年代を代表する演歌の1曲となった。
テイチクに残された「ヒットパーティ」の写真には、こうしたさまざまなモーメントが記録されている。まさに「人に歴史あり」「歌に歴史あり」である。
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