芯からほぐす

さっそく「体をテキパキ動かそう!」と勢いよく始めたいところですが、そうはいっても、ちょっと動けばあちこちが痛み、ギシギシいうようではいきなり活動量を増やすのも困難かもしれません。まずは快適に、スムーズに動ける体へとコンディショニングをしてあげるべきです。

特にほぐして動きをよくしておきたいのは手足の土台部分であり、体の幹に位置する体幹(胴体部分)です。

体幹の骨格は24個の背骨とその下の骨盤からなり、その多くの関節の複合的な動きによって、本来は前後左右に大きな稼働性を持ちます。

しかし、デスクワークなどで猫背になり、背中の曲がった姿勢で固まっていたりと、普段からしっかり動かせていない場合、動きが悪く、硬くなってしまいます。背骨の関節周りの靭帯が硬く変性し、関節周辺の筋肉も凝り固まってしまうのです。

また、手足の根元に位置する肩甲骨・股関節もしっかり動かしてほぐしたいところ。

手足の土台の体幹、手足の根元の肩甲骨・股関節を合わせて、体の芯という意味でコア(core)と呼んだりします。

コアをなすこれらの部位をよく動かしてほぐす「体幹コア体操」で、体の芯、幹からしなやかに動ける体を目指しましょう。もちろん日常の生活活動だけでなく、スポーツを行ううえでもしなやかなコアの状態にしておくことは大切です。

『学術的に「正しい」若い体のつくり方』(著;谷本道哉/中公新書ラクレ)