安保 床にうつぶせになり、首を持ち上げた姿勢でテレビを見ると背筋が鍛えられますし、立って画面を見ながら、その場で足踏みするのも、外で歩くのと同様の効果がありますよ。
大場 私、夫と意見が合わなくてストレスがたまったときは、家の廊下を何往復も歩いてストレス解消しています。(笑)
安保 それはいいですね。普段、トイレに行ったついでに、台所に立ち寄って水を飲んでからリビングへ、というように遠回りしていけば、プラス50歩は稼げます。1日8回トイレに行くなら、50×8で400歩増えますよ。
大場 《ちょいトレ》になるのかどうかわかりませんが、毎朝、目が覚めたら、ベッドの上でストレッチをしてから起き上がるようにしています。うつぶせになって全身の力を抜いてから、下半身や腰の筋肉を伸ばし、最後に正座をして背中の筋肉を伸ばしていく。時間があるときは30分ほどかけてじっくりと。
安保 それも立派な《ちょいトレ》です。僕の患者さんたちにも「ストレッチをしてから、起き上がるようにしてください」と指導しています。
高齢になればなるほど、寝ている間に体の筋肉が固まってしまうので、そのまま起きると転びやすくなるだけでなく、腰や背中を痛める原因にもなってしまうのです。
大場 以前、肩を痛めたときに、「水泳のクロールの動きがいい」と聞いたので、クロールのように両腕をグルグル回しながら家の中を歩くこともありますね。
安保 大場さんは、無意識のうちに、日々、《ちょいトレ》を実践していらっしゃる。だから、いくつになっても、こんなにお元気でいられるのでしょう。