時間を味方につける「長期投資」は若いうちから始めるもので、50代からではもう遅いのではないか?と思う人が多いのが事実ですが、人生100年時代の昨今、むしろ生き方が定まってくる50代こそ投資適齢期だと、長期投資のプロフェッショナルである、さわかみ投信株式会社社長〈澤上龍氏〉は分析します。お金に上手に働いてもらいながら、生き生きと過ごすための一つの目安は「65歳でプラス3000万円」。初心者にもわかりやすく、長期投資の方法をまとめた一冊『50歳から成功する長期投資』からポイントを抜粋してお届けします。
儲けばかり気になる「投機」、価値を高める「投資」
「投資なんて危ないからやめなさい」という言葉もよく耳にします。
また「投資の話」と言うと、 「世の中にうまい話があるわけがない」と反応されることもあります。
けれど、私たちに言わせれば、こうした言葉は「投資」と「投機」を完全に混同しているのです。
投資とは「社会的に役立っている」 「いい商品を作っている」と思う企業の株を持って株主となり、長期にわたって保有することです。
株を持つことが、企業を育て、商品やサービス、あるいは企業の文化を守ることにつながるのです。
多くの株主が長期保有することで、マネーゲームを目的とした買収などを避け、安定した経営ができるのです。
対して投機は、機会に乗じて短期的に大きな利益を得ようとする行為のことです。
当然、常に相場を見て、株を激しく売り買いすることになります。