診断の結果は基底細胞皮膚がん。転移しにくいがんなので、手術してもそんなに切らないから大丈夫ですよ、と医師に言われましたが……実際はやはりショックでしたね。直径が1.5センチ、深さ1センチほど皮膚をえぐり取られましたから。

「顔に大きな傷ができちゃったな……」と涙がこぼれました。でも、縫わないで自然に皮膚が回復するのを待ったおかげで、傷痕は残りませんでした。

結果論ですが、もっと初期段階で病院を受診すればよかったという後悔はあります。赤い発疹をがんだとは思っていなかったので、肌を整えようと思ってフェイシャルエステに通ったりして、悪化させちゃったかなと考えたりしますね。

じつは、その5年後にも、再び皮膚がんを発症。最初の手術以降は定期検診を受けていたので、このときは早期発見できた。ちょっと赤みがあるだけの小さながんでした。

私にはアイルランド系アメリカ人の父の血が流れています。体質的に色素が薄く、皮膚がんになりやすいそうです。そういう情報も得ていましたし、2回目なので1回目よりはショックが少なかった。

ただ、がんができた場所が鼻の横。手術後に縫う必要があって、鼻の右横から頬にかけて、縦長に20針以上も縫ったのです。太い糸でパッチワークを施したような顔を鏡で見てギョッとしましたけど、「先生、縫い方が上手ですね。キルトやりませんか?」と冗談を言えるくらい、落ち着いて受け止められました。

よ~く見ると、縫ったところはちょっと色が違うけれど、私、化粧が上手なので、ほら、ほとんどわからないでしょう?(笑)