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「今どんな気持ちなのだろう」と心に問いかけを

私もカウンセリングの勉強を始めた頃は、相談者さんの気持ちと自分の感情が混ざってしまい、カウンセリング中に自分の感情を見失うことがありました。

相談者さんが悲しい話をしていると自分も悲しくなる、怖い話をしていると自分も恐ろしくなるといったように、感情が引っ張られてしまうのです。

そこで私が訓練したのが、自分の感情を確認することでした。

カウンセリング中に「今は嫌な気持ちになっている」「話を聞いて恐怖を感じている」など、自分の感情を客観的に認めることで、相手の感情と分離ができるようになったのです。「自分の感情を認める」ことは、カウンセリングにおいても基本中の基本の考え方です。

自分の気持ちがよくわからないという人は、ネガティブ感情の克服、心のリカバリーに少し時間がかかるかもしれません。そんな人は、なんとなく嫌な気持ちになったときに、立ち止まって「今どんな気持ちなのだろう」と心に問いかけてみてください。

もし考えてみても、自分の感情がわからないという人は、それでも大丈夫です。

どんな感情が浮かんだとしても捨て去ろうとせず、ありのままの感情を受け止めていきましょう。

 

※本稿は、『ネガティブな自分のゆるし方』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。


ネガティブな自分のゆるし方』(著:大野萌子/クロスメディア・パブリッシング)

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