(写真提供:Photo AC)

2024年上半期(1月~6月)に『婦人公論.jp』で大きな反響を得た記事から、今あらためて読み直したい1本をお届けします。(初公開日:2024年03月12日)


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大石静さんが脚本を手掛け、『源氏物語』の作者・紫式部(演:吉高由里子さん)の生涯を描くNHK大河ドラマ『光る君へ』(総合、日曜午後8時ほか)。第十話は「月夜の陰謀」。藤原兼家は花山天皇を退位、出家させる計画を道長らに伝える。兼家の命に従い道兼らが動き出すなか、道長はまひろに手紙を――といった話が展開しました。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。今回は「出家」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

元慶寺で出家させられた花山天皇

第十話では、藤原兼家のクーデター計画がついに実行へ。

策にハマり、藤原道兼に連れ出された花山天皇は元慶寺で剃髪。たばかられたことに気づくも、もはや打つ手はなく、そのまま出家させられてしまいました。

そこで今回は「出家」について、あらためて考えてみようと思います。

しかし、ここまで書いてみて困った。古代史における貴人の出家は良く分からないのです。取りあえず、中世について説明しますね。