「おしゃれアイドル」としての活躍

当時、ティーンの間で絶大な人気を誇っていたマガジンハウスのファッション誌『Olive(オリーブ)』でも小泉今日子は「おしゃれアイドル」として活躍するようになった。

80年代半ばの『オリーブ』はパリの高校生「リセエンヌ」のスタイルをコンセプトにしつつも、アツキオオニシやビバユー、パーソンズといったDCブランドを紹介するファッション誌であったが、メイン読者である女子中高生のために、年に2回はアイドルを大々的に特集していた。

(写真提供:Photo AC)

と言ってもおしゃれな『オリーブ』が取り上げるのだから、ただのアイドル特集ではない。アイドルに最新のDCブランドを着せて、オリーブっぽく仕立てるという趣向である。

しかし、もともと「遅れて」いた当時のアイドルたちは、なかなかオリーブのモデルのように最新ファッションを着こなすことができず、登場する人気アイドルたちは服を着せられている感が拭えなかった。

そんな中で唯一、DCブランドを難なく着こなしていたのが、ショートカットの小泉今日子だったのである。