書:籔本正啓 撮影:今田仁義(『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』より)
「心を楽にする言葉」と地域ネコの保護活動の写真を組み合わせたSNSの投稿が人気の僧侶、通称ネコ坊主さん。「おひとりさまの天才」であるネコさんたちと、そんな彼らを常にみているネコ坊主さんによる名言集『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』が刊行に。今回はそこから、一部抜粋・再編集してご紹介します。おひとりさまをご機嫌で生きるヒントが見つかるかもしれません――

老後を考えるのは“ちゃんとしている人”

「親もめっきり年老いたし、優しくしたいとは思うんですけど、顔を合わせばケンカばかりで」「ひとりやから、万が一の時には誰にも迷惑かけられへん。今から手を打とうにも、何から始めてええんやら、見当もつかへんのです」

日々、皆さんからいただくご相談は、どれも切実です。

だけど、ご自分なりの目標―たとえば、“年を取ってガンコになった親に優しく接している自分”であったり、“誰にも迷惑をかけずに、美しく旅立つ自分”の姿が思い描けている人は、それだけでちゃんとしている人。

現状、具体的な解決の道筋は見えずとも、理想や目標に向かって進もうとする力は十二分にお持ちです。その力を、まずはどっしりと信じてみてください。遅かれ早かれ、同じ状況が永遠に続くということはありえませんから。

本当にアカン人は、どーでもいいことを、ちゃんとしようとします。

たとえば、「借金で首が回らんくて」と訴える人に、「今、ちゃんとせなアカンことは、何やと思いますか」と尋ねると、ちょっと考えて「……パーマ、ですかね?」と、想定外すぎる言葉が返ってきたり(笑)。そもそも、ひとりでちゃんと生活できているあなたは、間違いなく「ちゃんと」しています。

自分への責任を立派に果たされている。胸を張っていいんです!