派手なトランクスがブランドのスカーフのようで
独居老人の時間はたっぷりありますから、机の上に裁縫セットを並べて、暇さえあれば縫っていました。時には深夜1時までやっていたこともあります。
そうして、パンダ、ウサギ、タヌキ、犬など、『初めてのぬいぐるみ』に載っている動物キャラクターを2年ほどかけて全部制覇しました。
この勢いに乗って、今度は私の好きな馬に挑戦。インターネットで「馬のぬいぐるみセット」を買うことにしました。布や型紙のほかに、たてがみなど馬特有のパーツが揃っています。今まで作ったものより難易度は上がりましたが、でき上がった馬は可愛らしい!
ご機嫌になり、もう一頭、もう一頭と、私の創作意欲はとどまることを知りません。
今度は箪笥の肥やしだった夫や私の古着を使って制作し、次々と愛らしいぬいぐるみに様変わり。10頭ほど並べてひとりで悦に入っている時、乗馬仲間にあげようと思い立ちました。
宅配便で送るとすぐに馬友は電話をくれ、「乗馬クラブのインストラクターに見せたら、私もほしいって! 作って」と弾んだ声で言うのです。馬を知り尽くしているインストラクターに気に入ってもらえるなんて腕が上がったわと、嬉しくなります。