岐路に立つ騎士

19世紀のロシア人画家ヴィクトル・ワスネツォフが描いた『岐路に立つ騎士』もそうだ。

ヴィクトル・ワスネツォフ『岐路に立つ騎士』1882年 ロシア美術館蔵<『カラー版-西洋絵画のお約束-謎を解く50のキーワード』より>

不吉な色に染まる夕焼け空の下に、果てしない荒野が広がっている。

白馬に乗った騎士が進んできて、大きな石板の前で立ち止まったところだ。

兜をかぶり、鎖帷子(くさりかたびら)を身にまとった中世の騎士である。

赤い長槍を握り、背には円形の盾を背負い、矢筒も携えている。