美江子さんのおむすびと揚げもの
小学校から帰るといつも食卓にはおむすびがあった。
学校から家まで片道40分の道のりを歩いて、お腹をペコペコに空かせて帰ってきた僕にとってそれは何よりのごちそうだった。
炊飯器に残ったごはんを無駄にしないように、また、家族がすぐに食べられるようにと、美江子さんが握ってくれていた。
「おばあちゃんの料理で何がいちばん好き?」と聞かれたら、今も迷わず「おむすび」と答えている。
手で握る代わりに、ときどき「おむすびマシーン」を使う美江子さん。その姿はマラカスを振りながら踊っているようで、いつも吹き出してしまう。