歩き始めて3ヵ月で……

Tさん(70歳・男性)は、高血圧と脂質異常症の持病があり、59歳のときに脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)の発作を起こしました。

このときの検査で、腎機能値がかなり低下していることが判明。eGFRの値は50 であり、健常者の半分しか腎機能が働いていませんでした。

(写真提供:Photo AC)

医師からは、「このまま腎機能が低下していけば、将来的には人工透析の導入も考えなくてはいけない」と警告されました。

Tさんは熱心にウォーキングに取り組むようになり、1日に2万5000歩をゆっくり歩くようになりました。

歩き始めて3ヵ月で、慢性腎臓病のステージがG3aからG2へと回復し、eGFR値も基準値の60まで戻しました。体重は、ピーク時の80kgから12kg減り68kgになったのです。

それまでは降圧剤を飲んでも、最大血圧が140〜160mmHg、最小血圧が90mmHgまでしか下がりませんでしたが、最大血圧120mmHg台、最小血圧60mmHgまで下がりました(正常値は最大血圧が140mmHg未満、最小血圧90mmHg未満)。