無限に伸びていく可能性
そして第3の転機は、94年に寺脇康文さんと共に演劇ユニット「地球ゴージャス」を結成したことだという。
――劇団に10年いて、毎日のように顔を合わせて気心の知れたメンバーで作る芝居のよさを十分教わりましたから、今度は自分のやりたくなったことを実現させたいと思った。
劇団だと作家の書いたものから、所属メンバーに役を割り振っていくんですよね。でも地球ゴージャスは劇団ではなく一回一回の企画ユニットなので、僕と寺脇さんの二人以外の役は、その脚本に最高のキャスティングを日本中、世界中から配役できる。
劇団で作るとある程度まではあっという間に出来上がるけど、プロデュース公演だと寄せ集めなので、なかなかそこまでいかない。でもうまくいったら無限に伸びていく可能性があるような気がしたんです。
それまで違う生き方をしてきた奴らが、丁々発止とやりあって化学反応を起こしていくと無限の可能性が見える。これがプロデュース公演の楽しいところですね。