東京23区で地価が高騰したエリアは……
次に、全国的に見ても面的に大幅な地価上昇があった東京23区の状況(図表2)を見てみましょう。
この10年で最も地価が上昇した東京23区の調査地点は、2020年にJR山手線に新しくできた高輪ゲートウェイ駅付近(10年前の2.3倍)で坪618万円から坪1405万円となりました。ついで2020年に東京メトロ日比谷線に新しくできた虎ノ門ヒルズ駅付近(10年前の2.2倍)で坪737万円から坪1613万円になりました。
例えば、この10年で2.3倍になった高輪ゲートウェイ駅付近の調査地点を見ると、高輪ゲートウェイ駅から泉岳寺駅の間で東京都が施行中の「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業(1)」区域に隣接した場所でした。
泉岳寺駅は、羽田空港にも成田空港にもアクセスできる駅です。また、JR東日本の品川車両基地跡地では、リニア中央新幹線の開通に向けて国際交流拠点としての再開発が行われています。
こうした中で泉岳寺駅は利用者がさらに増加することが見込まれるものの、現状の泉岳寺駅のホームは国道の下の地下空間にあるために拡幅が困難でした。そこで、駅の改良やオフィス・店舗・タワーマンションを整備する再開発が進められており、2027年度竣工予定となっています。