安楽死を選ぶ動機が大事
愛するペットが病気で苦しむ姿は、飼い主ならば見たくないでしょう。間違えないでほしいのは、ペットが苦しむ姿を見ている自分がつらいから安楽死を選ぶのではいけません。スピリチュアリズムでは自己中心的な考えや行動を小我と言いますが、自分がつらいからという動機は小我そのものです。
一方で、相手のためを思う利他愛は大我と言います。ペットを苦しみから解放してあげたいという思いは大我でしょう。ペットの安楽死という結果は同じでも、その動機が小我か大我かによって、たましいの視点ではまったく違うものになるのです。そういう意味では、ペットが苦しんでいるのに、一日でも長く一緒にいたいという自己満足のために安楽死を選ばないのもエゴであり、小我です。
昔に比べるとペットを取り巻く飼育環境や医療技術がよくなったことで、ペットもずいぶんと長寿になりました。以前より治療法の幅が広がったぶん、飼い主はいろいろな選択を迫られるようになったと言えます。安楽死もその一つかもしれません。ペットとの別れは、どんな形であれつらいものですが、飼い主からたくさんの愛情をもらい、幸せな日々を過ごしたことは思い出としてペットのたましいにも刻まれています。そのことは忘れないでほしいですね。