喜ぶ顔が見られればそれでいい
僕は今、年間で約300本のテレビ番組に出演していますが、テレビに出たからといってお客さんが増える商売でもありません。それでも取材を受けるのは、困っている人を放っておけないから。誰だって街で道を聞かれたら教えてあげるでしょう? それと一緒です。
あと、これまでたくさんの人たちに手を差し伸べてもらったから。自分がしてもらって嬉しかったことは、やっぱり人にもしてあげたいじゃないですか。
よく「私は~してあげたのに」と見返りがないことを怒る人がいますが、それはちょっと違うんじゃないかなと思うんです。
たとえば僕が美味しいお菓子を見つけて、これを皆にも食べさせたいと買ってきたとします。「ありがとう。美味しいね!」と食べる人の笑顔を見たらそれで満足。自分が食べてほしくて買ってきたのだから、相手の喜ぶ顔が見られたらそれでいいと思うからです。
なかには「このお菓子よりXのほうが美味しいよ」とわざわざ残念なことを言ってくる人もいますが、どう感じるかはその人の自由なのでそれもよし。こちらは、「ああ、この人に買ってくるのはもうやめよう」と思うだけです。(笑)
僕は、「人は一人では幸せになれない」と思っています。それは、隣に不機嫌な人や態度が悪い人がいたら、自分が幸せな気分でいても台無しになってしまうから。
いくら評判のレストランに行っても、一緒にいる相手がまずそうに食べていたら全然楽しくありませんよね。どうせなら一緒になって盛り上がれる人、相手を幸せな気持ちにできる人といたいですし、自分自身がそういう人間でありたい。そんなことを思いながら、今日も店に立っています。