失敗は/「年だからね」と/笑い飛ばす
「好々爺」――。爺と書きますが「こうこうや」は女性も含むそうです。
「気のいい老人。善意にあふれた老人」という意味です。こんな言葉があるためか、「年をとったら穏やかに」とか「いいよいいよと、何でも許さなきゃ」と思う人が多いのかもしれません。
ですが、そうやって「好々爺然」としていれば、どんどん萎んでしまいます。そこで提案したいのは、好々爺ではなく「バンバン爺(じい)」で積極的に生きることです。
私も今年は65歳で「バンバン爺」の仲間入りです。だからますます、世間に向けて、言いたいことを言っていこうと思っています。
どんどん悪くなっていく日本に対し、バンバン言う。そのひとつが「相続税100%」という政策です。低迷する日本の景気をよくするカギだと思うのです。
相続税が100%(ただし親子が100%で、配偶者はこれまで通りです)になれば「タンス預金」は一気に解消です。120兆円以上あると言われるタンス預金が動けば、経済の起爆剤になるでしょう。
「みんな国外に逃げてしまう」という反対意見もありますが、幸齢者で住み慣れた日本を離れて外国に移住する人は少ないでしょう。
何事もやってみなければわかりません。腰を引くのではなく、まずはやってみる。ダメだったら次の展開を考える。そうやって初めて前進できるわけです。
過去30年間、金融緩和や財政出動など、政府の経済政策はひとつも成功していないのですから、試してみる価値はあると思いますけどね。
ちょっと話が逸それてしまいましたが、幸齢者は、年をとったいまだから「バンバン爺」になれるチャンスなのです。
失敗しても「年だからねえ」と頭をポリポリかきながら、笑ってごまかす。
文句を言われても「年だからねえ」と聞こえないふりをする。そんな芸当ができるのも、したたかな「バンバン爺」だからこそです。
※本稿は『女80歳の壁』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『女80歳の壁』(著:和田秀樹/幻冬舎)
「夫の世話・介護からくるストレスや負荷」「骨粗しょう症による骨折で歩けなくなる」「家族を亡くしたさみしさでうつになる」
「女80歳の壁」を、80歳以上でいきいきしている「幸齢女子」はどう乗り超えているのか?
その最強の方法は、とにかく肉を食べること、好きなことだけをして生きること。
高齢期を楽しみ尽くすための生活習慣を詳細に解説。