自分の生活に合ったサイズの家
まず、私の中で最も効果的だったなと思うのは、住むスペースを小さくするということ。フランスに留学して最初に住んだのがナントの学生寮。
そこがとにかく狭くて、ワンルームに小さなキッチンが付いていて、シャワーと洗面台があり、広さで言うと15平米もいかないくらいの部屋でした。部屋がミニマムになると、ものを置けないから買わなくなる。
自分の生活に合ってない広過ぎる部屋に住むと、管理も大変な上、余計なものを置いてしまうし、そうなるとものが増えて家の中をきれいに保つのも難しくなります。
ですので、自分の生活に合った住み良いサイズの家を見つけるというのはすごく大切でした。
そして、2番目に、基礎化粧品を見直しました。もともと、日本にいる時は、化粧水1本でも3000~4000円するものを使っていたのですが、フランスに移ってから現地の薬局で買えるふき取り化粧水やクリームを使うようになりました。
値段も半分くらいです。日本にいた時はシャンプーにもちょっとこだわって少し値段の高いものを使っていましたが、それもフランスではスーパーで売られている安いものに変えました。
そして、最後に交際費。そもそも日本のように飲み会が頻繁にあるわけでもない上、無駄な付き合いをしなくなったことで、日本にいた頃よりかなり減りました。
普段の食事もほぼ自炊で外食はしなかったので、食費も結構抑えられました。
「一度上がった生活水準を下げるのは難しい」と世の中ではよく言われますが、私にとってはまったく苦ではありませんでした。
生活水準が下がり、狭い部屋に住んでいる自分のことを「みじめだな」と思ったことは一度もないし、そもそも大学院留学という目的で来ていたこともあり、忙しくてそんなことを考える暇もなかったのです。
※本稿は『私が決める、私の幸せ』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
『私が決める、私の幸せ』(著:大畑典子/ワニブックス)
YouTubeでフランス・ナントから日々の暮らし、家族の在り方について発信して人気の大畑典子が、シンプルな生活の中にある、幸せの本質について書き下ろしたエッセイ。
決して「キラキラした海外生活」ではなく、文化の違いや家庭内の衝突を乗り越えながら、自分自身で幸せを築いていく過程を率直に綴った本書は、「自分らしい生き方」を模索する全ての人に向けたエールです。
幸せの形は人それぞれ。だからこそ、自分で選び、自分で決めた人生を楽しむために。軽やかに生きるヒントが詰まっています。