全員で上司を説得して

それから約1年。所属部署に大きなピンチが訪れました。ある大口クライアントが急遽、商品の納期を前倒ししてほしいと依頼してきたのです。しかし、ほかの案件でスケジュールは一杯。対応する余裕はほとんどありませんでした。

急遽開かれた会議で、上司は真っ先に、「無理だ」と言い放ち、最初の納期の通りで進めたいという意向をあらわにしました。「万一間に合わなかったらクライアントを失う事態になりかねない」などと消極的な意見ばかり述べるので、先輩たちが負けじと、「要望をここで断るわけにはいきません」と説得を試みます。

たしかにリスクはあるけれど、ここで成功したらクライアントともより強固な信頼関係が築ける。そう思った私も、最若手ながら勇気を出して、「みんなで協力すれば何とかなるかもしれません」と発言。結局上司が折れて、全員でこの困難に立ち向かうことになったのです。

それからすぐに、いかに効率的に商品を納品できるか、製造部門など各所と調整を重ね、部署内でも全員が得意分野を活かせるよう、作業分担を見直しました。そして、全員が努力を重ねたことで、要望通りの日に納品できたのです。クライアントからは感謝の言葉をもらい、社内でも高い評価を得ました。

上司はこの期間、いつもより頻繁にトイレに立つなどずっと非協力的な態度。成功の裏には、彼を見返したい、というみんなの思いがあったのかもしれません。