40年ほど前に買った、手作りのカゴバッグ。形はまったく崩れず丈夫です。カゴバッグが好きでいくつか持っています。(写真提供『90年、無理をしない生き方』すばる舎/撮影:林ひろし)

 

あきらめかけていたときに、1年分の積立が終了し、ギフトカードを受け取ることに。あ、これで買えるかも……!と売り場に行くと、あのカゴがまだ置かれていました。少し足りなかったので、手持ちの小遣いを足し、迷わず購入しました。

購入資金がたまるまで待っていたら、売り切れてしまうこともあるかもしれません。でも、それは縁がなかったということ。私はあきらめがいいので、そこはスパッと割り切ります。売り切れていなかったのは縁があったということでしょう。

このカゴバッグは、40年ほど経った今でも使っています。材料は山ぶどうの蔓つるで、経年変化で飴色になり、いい雰囲気です。買ったとき、職人さんから「壊れたら、いつでも直しますよ」とお店のカードをもらいましたが、しっかりした作りで壊れたことがありません。

娘がほしがっているので、受け継がれれば40年どころかもっと長もちしそうです。決して高い買い物ではありませんでした。

 

※本稿は、『90年、無理をしない生き方』(多良美智子:著/すばる舎)
の一部を再編集したものです。


90年、無理をしない生き方(著:多良美智子/すばる舎)

著書累計18万部!お元気シニアの代表、最新刊。
90歳を迎えた現在も、日々機嫌よく暮らす美智子さん。体の衰えはあるも「当たり前のこと、しかたない」と淡々と受け入れ、愚痴をこぼさない。それは昨日今日始まったことではなく、これまでずっと続けてきた「無理をしない」生き方の集大成。そんな、地に足のついたこれまでの人生を、思い出とともに振り返ります。