キリスト品川教会でのコンサートの様子。軽快なトークも人気だ(写真提供:有限会社まいど)

介護の秘訣は「一人にならない」

仕事に復帰してから、コンサートや取材など、あちこち母を連れて行っては、スタッフに面倒を見てもらっていました。街中では、コンビニなどで見知らぬ人にも「ちょっとおばあちゃんの車イス見といてください。悪いねぇ」と頼んでパパッと買い物をしたり。

特に介護士さんにはお世話になって、頭が上がらへん。介護の秘訣は一人にならんこと。これだけは言えます。

そのためにも、いい人との出会いを期待するのではなく、よぉ話し合って、理解し合って、馬鹿話なんかもしながら信頼関係を築くんですよ。

母は亡くなる6年前からグループホームに入所していましたが、そろそろお迎えが来ると感じて、自宅に戻したいと介護士さんに相談した時も親身になってくれました。今もお付き合いがあり、私もそのうちお世話になろうかと思っています。(笑)

コロナで家にいたこともあり、最後の時間を母とゆっくり過ごすことができたんです。

お風呂に入れながら「気持ちよろしぃか?」と声掛けをすると、母は「タンタン」と舌を鳴らして甘露の合図。

お風呂から上がって大好きなモルトウイスキーを飲んで、また「タンタン」。ご機嫌になって「星影のワルツ」を鼻歌で歌わはんねん。それに私がピアノで伴奏をして……。